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製造業の技術者が転職エージェントを選ぶときに見るべきなのは、会社ではなく担当者です。登録先の候補としては、メーカー専門のメーカーズジョブと、東海3県に強いR4CAREERを紹介します。
転職サイトに登録してみたら、専門外の求人メールばかり届くようになった。担当者と話してみても、こちらの経歴をどこまで分かっているのか伝わってこない。そんな経験をして、登録したまま放置している方は少なくありません。
転職エージェントの選び方を調べると、「求人数が多い」「サポートが手厚い」という説明が並びます。ただ、実際に転職の成否を分けているのは、そこではありませんでした。
- 専門外ばかりの求人メール
- 経歴を分かっていない担当者
- 返事が来ないまま過ぎる数週間
- 比べる相手がいない不安


私は前職で、製造業の技術者の転職支援を行っておりました。メーカーの人事と転職を考える方の両方を1人で担当するやり方で、設計・生産技術・保全・品質保証・技術営業など、幅広い職種の転職に関わってきました。採用する側がエージェントをどう見ているかも、転職する側が何に困るかも、両方の席から見てきた立場です。
この記事では、製造業の技術者に合う転職エージェントの選び方を、採用側の目線も交えて書いていきます。転職をすすめる記事ではありません。動くかどうかを決める前の、判断材料として読んでいただければ幸いです。
選ぶ基準は会社ではなく担当者

転職エージェントの選び方を扱う記事は、たいてい「総合型か特化型か」という話から始まります。大手は求人数が多く、特化型は業界に詳しい。そういう説明です。間違いではありませんが、現場で見てきた実感とは少しずれています。実際に差がつくのは、会社の看板ではありませんでした。
総合型と特化型に大きな差はない
一般には、大手の総合型は求人数が多いので情報を集めるのに向いている、その分ひとつひとつの求人には詳しくない、と言われます。逆に特化型は、扱う求人の中身や業界全体の動きに詳しいとされています。
ただ、私が見てきた限りでは、そこまで大きな誤差はありませんでした。大手にも中身をよく理解している担当者はいますし、特化型を名乗っていても求人票をなぞるだけの担当者はいます。会社の型ではなく、担当者の腕で決まります。
採用側が信頼していたのは担当者だった
メーカーの人事と話していると、エージェントの評判は自然と耳に入ってきます。信頼されている担当者には、共通点がありました。
- 求人内容を理解し経験が噛み合う人を推薦する
- 内定承諾率が80%を超えている
- オンラインだけで済ませず直接も会う
- 候補者の情報をよく把握している
- 面接前に伝え方まで助言してくれる
中でも分かりやすいのが、内定を出した方が実際に入社を決める割合です。信頼されている担当者は、この割合が8割を超えていました。候補者の気持ちを正しくつかんでいるから、そこまで高くなります。
「またあそこか」と言われる会社の共通点
反対に、人事から煙たがられていたエージェントもありました。求人の中身を理解せず、条件の言葉が合うというだけで候補者に声をかける。本人が何を望んでいるかも聞かずに、とにかく応募させようとする。
そういうところに限って、経験がまったく噛み合わない方を推薦してきます。推薦の数は多いのに中身が伴わないので、人事からは「またあそこか」と言われてしまう。連絡が遅い、候補者のことを聞いても答えられない、というのも同じ型です。
当たりの担当者を見分ける7つの視点

担当者で決まると言われても、初回の面談だけで見極めるのは難しく感じるかもしれません。ただ、見るところはある程度決まっています。ここでは候補者の立場から確かめられる視点を7つ挙げ、そのうち特に分かりやすい3つを詳しく見ていきます。
- 求人票に載っていない話ができる
- こちらの転職理由を先に聞く
- 現場の役職者と接点がある
- 業界全体の動きを語れる
- その会社と他社の違いを語れる
- 連絡が早い
- 話していて相性が合う
求人票に載っていない話ができるか
最初の面談で、気になる求人について少し踏み込んで聞いてみてください。部署は何人いて、年齢の構成はどうなっているのか。入社した後はどんなキャリアの段階を踏むのでしょうか。その部署が今後めざしている方向も聞いてみてください。
当たりの担当者は、ここをすらすら答えます。部長や課長の人柄、面接でその人がどこを見るかまで把握していることもあります。求人票に書いてあることしか話せない担当者は、社内の事情を知らないということです。面接で実際に聞かれることは、製造業の技術職の面接で聞かれる4つの質問と落ちる理由にまとめています。
こちらの転職理由を先に聞いてくれるか
良い担当者は、求人を出す前に必ずこちらの話を聞きます。今回の転職で何を叶えたいのか。今の職場の何が引っかかっているのか。そこを押さえないと、紹介する求人が的外れになると分かっているからです。
逆に、名乗った直後から求人票が並び始めたら、少し身構えてよいと思います。その進め方では、こちらの条件に合う求人が出てくる確率は上がりません。
人事だけでなく現場の役職者と接点があるか
採用の窓口は人事ですが、一緒に働くのは配属される部署の人たちです。その部署の課長や部長と話したことがある担当者は、伝えられる情報の厚みが違います。
「その部署の方と直接お話しされたことはありますか」と聞いてみてください。答えに詰まるようであれば、聞ける範囲は求人票の中だけだと考えておいたほうが安全です。
登録は3〜5社 絞り込みは1〜2社

担当者で決まるのであれば、良い担当者に出会う確率を上げるしかありません。そのための方法が、最初に少し広めに登録しておくことです。ただし多すぎると、やり取りだけで手一杯になります。現実的な数と、そこからの絞り方をお伝えします。
まず3社から5社に登録する
登録する数は、3社から多くて5社が現実的です。1社だけでは比べられず、6社を超えると連絡の管理が追いつきません。在職中であればなおさらで、面談の日程を組むだけで疲れてしまいます。
選ぶときは、性格の違うところを混ぜておくと比べやすくなります。メーカーに特化したところ、地域に強いところ、別の業界も扱うところ。同じ型ばかりだと、出てくる求人も似通ってしまいます。
やり取りしながら1社か2社に絞る
登録して2週間ほどやり取りすれば、担当者の力量はだいたい見えてきます。そこから実際に進めるのは1社か2社に絞っていきましょう。本気で動いてくれる担当者に情報を集めたほうが、結果として話が早く進みます。
信頼できる担当者が見つかったら、遠慮なく相談してかまいません。「他社でこういう求人を見たのですが、御社にはありませんか」と聞くのも問題ありません。できる担当者であれば、その要望を持ち帰って探してくれます。
担当者は変更をお願いできる
意外と知られていませんが、担当者は変更をお願いすることができます。会社を変えなくても、人だけ替えてもらえるということです。
エージェントとは、無理にとは言いませんが、なるべく良い関係を作っておいたほうが得をします。条件の交渉になったときに、親身に動いてくれることがあるからです。ただし中には、なぜか上から物を言ってくる担当者もいます。そう感じたときは、我慢せずすぐ担当者の変更を申し出てください。
製造業の技術者に合う登録の組み合わせと、製造業に強いエージェントの比較は製造業の転職エージェントおすすめ6社と選び方にまとめています。
技術者に合う転職エージェント2社

ここまでお伝えしてきたとおり、大事なのは会社よりも担当者です。とはいえ、どこにも登録しないことには担当者に会えません。ここでは性格の違う2社を挙げておきます。これに大手の総合型を1社足せば、先ほどお伝えした3社になります。
メーカー専門で探すなら メーカーズジョブ
製造業に特化した転職支援サービスです。扱う求人がメーカーに寄っているため、設計・生産技術・品質保証といった技術職の話が通じやすいのが利点だと思います。
最初の1社として登録しておくと、今の自分の経験がメーカーの中でどう見られているかを確かめられます。無料で面談まで受けられるので、情報を集める目的で使ってかまいません。
東海で腰を据えて探すなら R4CAREER
愛知・岐阜・三重の東海3県に絞って支援しているエージェントです。この地域は自動車や産業機械のメーカーが集まっているため、地元に根を張っているところは求人の中身に詳しい傾向があります。
家庭の事情で引っ越しができない方や、通勤の範囲を変えずに転職したい方は、地域に強いところを1社入れておくと選択肢が増えます。なお、対象は勤務希望地が愛知・岐阜・三重で、25歳から45歳までの方です。
登録の前に決めておくこと
良い担当者ほど、最初の面談でこちらの話を聞こうとします。そのときに答えが出てこないと、せっかくの面談が求人の説明だけで終わってしまいます。登録する前に、次の3つだけは言葉にしておくと話が早く進みます。
- 今回の転職で叶えたいこと
- 譲れない条件と譲れる条件
- 今すぐ動くか情報収集か
完璧に決まっている必要はありません。「年収は上げたいが、勤務地は今の通勤圏がいい」くらいで十分です。この答えへの反応で、担当者が話を聞く人かどうかも見えてきます。
転職エージェント選びの5つの失敗

選び方を調べている方の多くは、すでに一度つまずいています。求人が合わない、連絡が来ない、話を聞いてもらえない。そうした引っかかりには、実はいくつかの決まった型があります。転職を支援してきた中で繰り返し見てきた失敗を、5つ挙げておきます。自分が今どれに当てはまるかが分かると、次に何を直せばよいかが見えてきます。
- 入社後に聞いていた話と違う
- 求人紹介ばかりで疲れる
- 担当者の対応が全体的に悪い
- 1社だけで比較できない
- 連絡を放置されタイミングを逃す
入社してから話が違うと気づく
いちばん取り返しがつかないのが、この失敗です。聞いていた業務内容と実際の仕事がずれている。配属される部署の雰囲気が想像と違った。そうした食い違いに、入社した後で気づくことがあります。
原因の多くは、担当者が求人の中身を分かっていないことにあります。求人票に書かれた条件だけを見て紹介していると、どうしても「実際の現場はどうなのか」が抜け落ちます。入社してから気づいても、やり直しはききません。
求人を紹介されるだけで話を聞いてもらえない
登録した直後から、大量の求人が送られてくる。こちらが何を叶えたくて転職を考えているのか、一度も聞かれていない。そんな進め方をされると、面談のたびに消耗していきます。
転職で実現したいことは、人によってまったく違います。年収を上げたい方もいれば、上流の仕事に関わりたい方もいます。そこを確かめないまま紹介される求人は、数が多くても当たりません。
1社だけに任せて比べられない
最初に登録した1社だけで進めてしまうのも、よく見かける失敗です。提示された求人が良いのか悪いのか、比べる相手がいないと判断できません。担当者の力量も、他と比べて初めて分かります。
連絡を放置されて、転職に良いタイミングを逃してしまう方もいます。求人には動く時期があり、その期を逃すと同じ条件の募集はしばらく出ません。複数に登録しておけば、どこか1社が止まっても流れは途切れずに済みます。
転職を決めていない段階での登録

ここまで読んで、それでも引っかかっている方がいるはずです。まだ転職すると決めたわけではないのに、登録してしまっていいのだろうか、と。エージェント側にいた立場から、正直なところをお伝えします。
情報を集めるために使ってよい
結論から言えば、決めていない段階で登録して問題ありません。どんな求人が出ているのか、今の相場はどのくらいなのか。それを知るための手段として使えます。
むしろ、転職を決めてから調べ始めると、比べる時間が足りないまま話が進んでしまいます。動くかどうかを決めるための材料集めは、早いほうが選択肢は広がります。そもそも転職に踏み出せずにいる方は、転職したいけど動けない30代技術者の最初の一歩も参考にしてください。
「まだ決めていない」は自分から言わなくてよい
本来であれば、最初に「すぐには動きません」と伝えるのが筋ではあります。ただ、相手も仕事として動いています。「転職はまだ考えていない」と最初に言うと、対応が後回しになることがあります。
ですので、こちらから積極的に言う必要はありません。聞かれたら正直に答える、という構え方で十分です。嘘をつく必要はなく、順番の問題だと考えてください。
その対応で担当者の質が分かる
この場面は、担当者を見極める機会にもなります。情報収集の段階だと伝えたうえで、その後どう動くか。そこに担当者の姿勢がはっきり出ます。
良い担当者は、急がずに求人や市況の情報を送り続けてくれます。反対に、そこから一切連絡が来なくなるようであれば、すぐ決める人だけを相手にしているということです。長く付き合う相手としては考え直したほうがよいかもしれません。
転職エージェントに関するFAQ

ここからは、支援をしていた頃によく聞かれた質問をまとめます。細かい不安ほど人に聞きにくいものですので、気になるところだけ読んでいただければ十分です。
転職エージェントは無料で使えますか
転職する方の費用負担はありません。エージェントは、採用が決まった企業側から手数料を受け取る仕組みで動いています。面談や書類の添削、面接の日程調整まで、すべて無料で受けられます。
在職中でも利用できますか
利用している方の多くは在職中です。面談は平日の夜や土曜に組んでもらえることが多く、オンラインで済ませることもできます。今の会社に連絡が行くことはありません。
担当者と合わないときはどうすればいいですか
会社の問い合わせ窓口から、担当者の変更を申し出てください。理由を細かく説明する必要はなく、「別の方にお願いしたい」と伝えれば手続きしてもらえます。言いにくく感じるかもしれませんが、珍しいことではありません。
複数のエージェントから同じ求人を紹介されたらどうなりますか
先に応募したエージェントの紹介として扱われます。同じ企業へ二重に応募すると、企業側で重複が分かり、どちらの紹介かで調整が入ります。気づいた時点で、それぞれの担当者に伝えておくと話が早く済みます。
紹介された求人を断っても大丈夫ですか
問題ありません。むしろ断る理由を具体的に伝えたほうが、次に出てくる求人の精度が上がります。「勤務地が合わない」「この製品分野には興味がない」と言葉にしてください。断りにくいからと曖昧に濁すと、似た求人が届き続けます。
まとめ 選ぶのは会社ではなく人

転職エージェントの選び方として語られるのは、たいてい会社の比較です。ただ、実際に転職の中身を左右していたのは、その会社にいる担当者が求人をどこまで理解しているかでした。
- 失敗の多くは担当者の理解不足から起きる
- 総合型と特化型に大きな差はない
- 求人票に無い話ができるかを確かめる
- 登録は3〜5社 絞り込みは1〜2社
- 合わないときは担当者の変更を申し出る
まずは3社ほど登録して、担当者を見比べてみてください。比べる相手がいて初めて、どの担当者が自分の経験を分かっているかが見えてきます。登録した時点で転職が決まるわけではありませんので、情報を集める一歩として使っていただければと思います。
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