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製造業の技術職の面接でほぼ必ず聞かれるのは、転職理由、今の仕事の中身、なぜ当社か、そして30代以降なら「マネージャーをやりたいか」の4つです。そして本当の勝負は、配属先の上司が面接官として出てくる一次面接にあります。
書類が通って面接が決まったものの、面接を受けるのは新卒のとき以来という方も多いはずです。何を聞かれるのか分からないまま当日を迎えるのは、落ち着かないものでしょう。
- 10年ぶりの面接で何を聞かれるか分からない
- 技術的な試験があるのか心配
- マネージャー志向を聞かれたら困る
- 面接で落ち続けて理由が分からない


私は前職で、製造業の技術者の転職支援をしていました。企業の人事や面接官からは、不合格の理由も直接聞いてきました。この記事では、聞かれる4つの質問と答え方、一次面接で落ちる理由、逆質問の使い方をお伝えします。
製造業の面接で聞かれる4つの質問

製造業の技術職の一次面接で聞かれることは、会社が変わってもほとんど同じです。私が支援してきた方の面接でも、次の4つはほぼ必ず出ていました。質問そのものより、それぞれの質問で面接官が何を確かめているかを知っておくと、答えがぶれません。

転職理由は「うちでも辞めそう」に見えないか
転職理由で面接官が確かめているのは、入社しても同じ理由でまた辞めないか、という点です。「残業が多い」「上司と合わない」だけで終わると、うちでも同じことが起きたら辞めるのでは、と受け取られます。
答えるときは、今の不満ではなく、次の会社で叶えたいことを軸にするのが基本です。「この経験を生かして、次はこれに挑戦したい」という形にすると、前向きな理由として伝わります。不満を聞かれた場合は、会社の悪口にならない範囲で正直に話して構いません。
今の仕事の中身は役割まで話す
今の仕事の説明では、何を設計・担当しているかに加えて、自分の役割まで話すことが大切です。構想設計なのか詳細設計なのか、試作や評価まで見たのか、量産の立ち上げや客先対応はあったのか。ここまで話せると、面接官は入社後の仕事と重ねて考えられます。
企業が技術職の転職者に求めているのは、何より即戦力です。厚生労働省の令和7年転職者実態調査によると、専門的・技術的な仕事で転職者を採った理由は「経験を活かし即戦力になるから」が64.1%で最も多く、次いで「専門知識・能力があるから」が51.2%でした。役割の伝え方は機械設計の職務経歴書の書き方でも詳しく書いています。
なぜ当社かは製品と技術のつながりで答える
「なぜ当社か」には、知名度や安定よりも、製品と自分の技術のつながりで答えるのが効果的です。私が人事に候補者を推薦するときも、一番の決め手にしていたのは「設計してきた製品が近いこと」でした。
「御社の〇〇という製品に、自分の〇〇の経験がそのまま使える」と言えれば、志望動機として十分です。製品を変えたい場合の考え方は研究開発の転職で製品を変えたい人へも参考になります。
30代はマネージャー志向を聞かれる
30代以降になると、「マネージャーをやりたいですか」と聞かれることが増えます。年齢とともに社内の調整役や役職を任される場面が増えるため、その意欲を確かめたいのです。
- まずは目の前の仕事をしっかりやります
- いつかその機会があれば、ぜひやってみたいです
この形で答えれば問題ありません。技術を極めたい方でも、「一切やりたくない」と言い切る必要はないでしょう。機会があれば挑戦するという姿勢を見せておくと、入社後の役割の幅も狭まりません。
勝負は直属の上司が出る一次面接

面接は一次と最終の2段階で行う会社が多く、多くの方は「最終面接が一番の山場」と考えています。ところが、私が見てきた限りでは、合否の大部分は一次面接で決まっていました。面接官が誰なのかを知ると、その理由が分かります。

一次の面接官は配属先の上司
製造業の技術職の一次面接には、多くの場合、配属先の直属の上司になる人が出てきます。その人は、一緒に働く相手として、経験が噛み合うか、仕事を任せられるかを見ています。
つまり一次面接は、将来の上司による実質的な選考です。技術の話が一番深く通じる相手でもあるので、仕事の中身を具体的に話す準備が欠かせません。
合格率は一次が約5割・最終が7〜8割
私が見てきた感覚では、一次面接の合格率は約5割、最終面接は7〜8割ほどでした。一次の面接官がOKを出した人なら、最終の面接官も「それなら良いだろう」と判断しやすいからです。
最終面接では、役員や部長が人柄や長く働いてくれそうかを見ます。聞かれる内容は一次とほぼ同じですが、一次より深く掘り下げられるので、答えを一段深めておきましょう。
最終で落ちるのは判断を委ねられたとき
ただし、最終面接で落ちることもあります。多いのは、一次の面接官が判断しきれず、「最終で見てもらおう」と判断を委ねた場合です。
この場合、最終面接は実質的にもう一度の選考になります。一次で手応えが薄かったときほど、最終に向けて伝えきれなかった点を整理しておくと安心です。
技術職が一次面接で落ちる7つの理由

面接で落ちたとき、企業から理由を詳しく教えてもらえることはほとんどありません。私はエージェントとして、面接官から直接その理由を聞いてきました。多かったのは次の7つで、うち5つは面接での答え方で防げるものです。
- 経験が合わない
- 年齢のわりにスキルが足りない
- 質問に対する答えになっていない
- 話が長い
- コミュニケーションに不安がある
- 転職理由から「うちでも辞めそう」
- 考えて仕事をしていない
経験とスキルの不一致は面接の前に決まる
「経験が合わない」「年齢のわりにスキルが足りない」は、面接の場で挽回するのが難しい理由です。応募した求人と経験がずれていれば、どれだけ上手に話しても結果は変わりにくくなります。
この2つは、応募する求人を選ぶ段階で防ぐものです。自分の経験がどこで評価されるかは30代の機械設計が転職市場で評価される力でも書いています。
答えがずれる・話が長いは準備で防げる
技術者の方に特に多かったのが、聞かれたことへの答えになっていない、話が長いという理由でした。仕事を正確に伝えようとするあまり、前提や経緯から話し始めてしまうのです。
防ぎ方は、最初の一文で質問に答え、そのあとに理由や具体例を足すことです。1つの質問への答えは、1分ほどに収めるのを目安にしてください。足りなければ、面接官のほうから深く聞いてくれます。「コミュニケーションに不安がある」と言われる理由も、この2つと重なる部分が大きいはずです。
辞めそう・考えていないは答え方で変わる
「うちでも辞めそう」は、前の章でお伝えした転職理由の答え方で防げます。もう一つの「考えて仕事をしていない」は、次の章で詳しくお伝えする質問への答え方で判断されています。
この2つは、経験やスキルが足りていても落ちてしまう理由です。逆に言えば、答え方を整えるだけで結果が変わる部分でもあります。
困難を乗り越えた経験の答え方

「これまでの仕事で困難を乗り越えた経験を教えてください」は、技術職の面接でよく聞かれる質問です。面接官がこの質問で見ているのは、苦労の大きさではありません。その場面で自分の頭で考え、工夫して仕事をしてきたかどうかです。

NGは「言われた通りに設計しました」
落ちる方に多いのは、「上司の指示どおりに設計して、納期に間に合わせました」で終わる答えです。どれだけ大変な案件でも、これでは自分で何を考えたのかが見えません。
「なぜその方法を選んだのですか」と深掘りされて答えられない場合や、改善した経験が一つも出てこない場合も同じです。面接官には、指示を待つ人に見えてしまいます。
なぜその方法を選んだかを添える
評価される答えには、必ず「なぜその方法を選んだか」が入っています。状況、自分が考えたこと、選んだ方法とその理由、という順に話すと、考えて仕事をしてきた人だと伝わります。
- 客先の仕様変更で、納期が2週間縮まった
- 全部作り直すと間に合わないと判断
- 既存機種と共通化できる部品を洗い出した
- 変更を3か所に絞る案を上司に提案した
改善した結果まで話して締める
最後に、その結果どうなったか、その後の仕事にどう生かしたかを一言添えると、答えがきれいに締まります。上の例なら、「納期を守れたうえ、共通化の一覧をその後の案件でも使うようになりました」といった形です。
大きな成果である必要はありません。日々の仕事の中で工夫した場面を、面接の前に2つか3つ書き出しておくと安心です。
逆質問は現場の話を聞くチャンス

面接の最後には、「何か質問はありますか」と聞かれる逆質問の時間があります。ここで「特にありません」と終えてしまう方は少なくありません。しかし一次面接の逆質問は、入社後に一緒に働く人から、現場の話を直接聞ける貴重な機会です。
逆質問は評価の場より情報を集める場
私が候補者の方に伝えていたのは、「逆質問はしっかり聞いてください。現場の人に話を聞けるチャンスです」ということでした。評価を上げるための質問を探すより、入社を決めるために知りたいことを聞くほうが大切です。
求人票には書かれていない職場の実情は、面接官に聞くのが一番確かです。ここで聞いた話が、内定が出たあとに入社を決める判断材料になります。
聞いておきたい5つの質問
配属先の上司が相手の一次面接なら、次のような質問がおすすめです。
- 部署の人数と年齢構成を教えてください
- 入社後、最初に担当する仕事は何ですか
- この部署で活躍している人の共通点は
- 部署として今後めざしていることは
- 入社後のキャリアの道筋を教えてください
どれも、求人票だけでは分からない情報です。答えを聞きながら、自分が働く姿を思い描けるかを確かめてみてください。
会社ごとの面接の傾向はエージェントが知っている
面接でどんな質問が出るか、面接官がどこを見ているかは、会社や面接官によって少しずつ違います。その傾向を知っているのが、その会社に何人も候補者を送り出してきた転職エージェントです。


面接対策に強い転職エージェント

面接の準備で一番効くのは、応募先の会社で実際に聞かれた質問と、面接官が見ている点を知ることです。こうした情報は求人票にもネットにも出ておらず、企業と付き合いのあるエージェントからしか手に入りません。ここでは、製造業の技術職の面接対策に使える2社を紹介します。
メーカー専門で探すなら メーカーズジョブ
メーカー・製造業に特化した転職支援のサービスです。設計や生産技術といった仕事の中身が最初から通じるので、面接でどう話せば伝わるかを具体的に相談できます。
評判はメーカーズジョブの評判と向いている人にまとめています。面談までは無料なので、面接対策だけを目的に相談しても構いません。
東海で腰を据えて探すなら R4CAREER
愛知・岐阜・三重に絞って求人を扱う、名古屋の転職エージェントです。地元のメーカーとの付き合いが深いエージェントなら、応募先ごとの面接の傾向も聞きやすくなります。
面接の前に担当者へ聞くこと
エージェントを使うなら、面接の前に次の3つを担当者に聞いておきましょう。過去にどんな質問が出たか、面接官は誰でどこを見ているか、自分の経歴で不安に思われそうな点はどこか、の3つです。
この3つにすぐ答えられる担当者は、企業のことをよく知っている証拠でもあります。担当者の見極め方は製造業の技術者に合う転職エージェントの選び方で詳しく書いています。
面接対策まで任せられるエージェントの選び方と、製造業に強い各社の比較は製造業の転職エージェントおすすめ6社と選び方にまとめています。
技術職の面接に関するFAQ

最後に、技術職の方からよく聞かれる面接の質問にお答えします。
技術的な試験や口頭試問はありますか
製造業の技術職の中途採用では、ほとんどありません。図面を見せて設計の考え方を問うような試験は、私の周りでもあまり聞きませんでした。技術の力は、今の仕事の中身を話す中で判断されると考えてよいでしょう。
マネジメント経験がないと不利ですか
30代であれば、マネジメントの経験がなくても大きく不利にはなりません。面接官が見ているのは、今の経験よりも、機会があれば挑戦するという姿勢です。後輩の指導や、他部署との調整を取りまとめた経験があれば、あわせて伝えておきましょう。
転職理由が今の職場への不満です
不満がきっかけでも構いません。面接では、不満そのものより「次の会社で叶えたいこと」を先に伝えてください。不満について聞かれたら、会社の悪口にならない範囲で正直に答えれば問題ありません。
落ちた理由は教えてもらえますか
企業に直接応募した場合、理由を詳しく教えてもらえることはまずありません。エージェント経由なら、面接官の評価を担当者が聞いて伝えてくれることがあります。次の面接に生かせるので、落ちたときは担当者に理由を尋ねてみてください。
在職中でも面接の日程は組めますか
多くの方が、在職中に面接を受けています。平日の夕方やオンラインでの面接に応じてくれる会社もあるので、希望は遠慮せずに伝えましょう。エージェントを使えば、日程の調整も任せられます。
技術職の面接で見られることのまとめ

製造業の技術職の面接は、聞かれることがほぼ決まっています。そして合否の大部分は、配属先の上司が出てくる一次面接で決まります。
- 聞かれるのは転職理由・仕事の中身・志望動機
- 30代はマネージャー志向も聞かれる
- 勝負は配属先の上司が出る一次面接
- 最初の一文で答え、1分ほどで話す
- 困難の経験は「なぜその方法か」まで
- 逆質問は現場の話を聞くチャンス
面接は、企業があなたを選ぶ場であると同時に、あなたが次の職場を見極める場でもあります。まだ動くか迷っている方は転職したいけど動けない30代技術者の最初の一歩を、内定が出たあとは退職交渉の引き止めを防ぐ伝え方も読んでみてください。
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