本記事はプロモーションを含みます。
職務経歴書に書くことがないと感じる技術者の多くは、毎日の仕事に慣れて、自分の工夫や調整を仕事のうちに数えていないだけです。転職エージェントの担当者や人事が経歴書で探しているのは、大きな実績よりも、繰り返しの中の工夫と、人とのやり取りです。
いざ書こうとすると、毎日同じ図面の修正や、同じ検査、同じ点検の繰り返しで、手が止まる。表彰されたことも、大きなプロジェクトを任されたこともない。そう思って、この言葉を検索した方もいるでしょう。
- 毎日が流れ作業で、大した仕事をしていない
- 今の会社しか知らず、比べようがない
- 実績と呼べるものが思い浮かばない
- 書けても数行で終わってしまう
- この経歴で書類が通るのか不安


私は前職の転職エージェントで、企業と求職者の両方を1人で担当しながら、製造業の技術者の転職を支援していました。書くことがないと言う方の経歴書を一緒に作ってきた経験から、書けることの見つけ方と、経歴書の言葉への直し方をお伝えします。
技術職が書くことがないと思い込む理由

書くことがないと言う技術者の方と面談していると、同じような状態の方が多くいました。書けることが本当にないのではなく、自分の仕事の値打ちを自分では測れていない状態です。思い込みの元になっていたものを3つ紹介します。
流れ作業で大した仕事じゃないと決めている
毎日の仕事が流れ作業になっていて、「こんなのは大した仕事じゃない」と自分の中で決めつけている方です。慣れた仕事ほど、考えなくても手が動きます。そのせいで、手順を工夫したことや、トラブルを先回りして防いだことまで、当たり前の作業に見えてしまいます。
今の会社しか知らない
新卒から同じ会社で働いてきて、他の会社に勤めたことがない方です。比べる相手がいないので、自分の経験が社外で珍しいのかどうかを判断できません。社内では誰もがやっている仕事でも、他の会社ではやっている人が少ない、ということはよくあります。
繰り返しの仕事に実績はないと思っている
同じ作業の繰り返しで、売上を伸ばした、新製品を出した、といった実績と呼べるものがないと思っている方です。経歴書の見本には、数字の入った大きな成果が並んでいることが多いので、余計に書けなくなります。ただ、採用する側が見ているのは、そうした成果だけではありません。
担当者が見ているのは大きな実績ではない

大きな実績がなくても大丈夫なのか、と不安になる方は多いはずです。私がエージェントとして経歴書を読んでいたときに見ていたのは、実績の大きさより、その方が何をどこまで担ってきたかでした。機械設計の方を例に、担当者が読み取ろうとしていた項目をお伝えします。
何を扱いどの部分を担ってきたか
機械設計なら、何を設計しているのか、ものの大きさはどれくらいか、設計の中でもどの部分を受け持っているかを読み取ろうとしていました。そのうえで、構想設計なのか詳細設計なのか、試作や評価、量産の立ち上げ、お客様との打ち合わせまでやったのかという役割を見ます。生産技術や品質保証、保全でも、扱ってきた製品や設備と、自分が受け持った範囲を見るという骨組みは同じはずです。
他の部署とどう関わってきたか
他の部署との関わりや、取りまとめた経験も、担当者が知りたい項目です。ところが技術者の経歴書では、この役割と取りまとめの経験が書き落とされていることが多くありました。本人にとっては当たり前すぎて、書く値打ちがないと思っているからです。
今の会社しか知らなくても不利ではない
転職が初めてであることを気にする方もいますが、企業はむしろ安心材料と見ていました。転職の回数が少ない方は、長く働いてくれそうだと受け取られます。私が見てきた限りでは、転職の回数が少ない30代に、悪い印象を持つ企業はありませんでした。

国の統計でも、転職して賃金が上がる人は少なくありません。転職した人のうち、前の職場より賃金が「増加」した人は40.8%で、30〜34歳に限ると48.6%でした。出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」(転職入職者の賃金変動状況)。
書けることが見つかる3つの手順

書くことがないと言う方と面談するとき、私は決まった順番で話を聞いていました。1人でもできる形に直すと、次の3つの手順になります。白紙の経歴書に向かう前に、まずはメモ帳に書き出すところから始めてください。

手順1 普段の業務をすべて書き出す
最初に、普段やっている業務を一度すべて並べます。大事かどうかは考えず、思いつくものから書き出してください。書き出しにくい方は、朝出社してから帰るまでの一日の流れを、順番に追っていくと漏れが減ります。
- 朝いちばんに確認していること
- 毎日・毎週・毎月決まってやる仕事
- 誰かに頼まれてやる仕事
- トラブルが起きたときにやる仕事
- 年に数回だけ回ってくる仕事
手順2 一つずつ分解する
次に、並べた業務を一つずつ細かく分けてみましょう。たとえば「図面の修正」なら、誰から修正の依頼が来るのか、何を確かめてから直すのか、直したあと誰と話すのか、と分けていきます。分解すると、普段は意識していない細かい業務が改めて見えてきます。
そのなかに、「意外とこれは他の人がやっていないのでは」「自分にしかできないことなのでは」というものが出てきます。書くことがないと言っていた方のなかにも、こうして棚卸しをしたあと、書類が通ったり、思っていなかった会社から声がかかったりした方がいました。
手順3 外の目で珍しさを確かめる
最後に、見つけた経験が社外から見て珍しいかどうかを確かめます。面談では、私の目から見て「この経験は珍しい」「あまりいない」と思ったところを、本人に伝えていました。今の会社しか知らない方は、自分では判断できないので、ここは外の人の目を借りるのが近道です。


見落としやすい書ける経験の例

手順2で分解しても、何を拾えばいいか分からない方もいるでしょう。ここでは、面談で話を聞いてみたら実は書けた、という経験の例を紹介します。ほかにも書ける経験はあるので、自分の仕事に近いものがないか探す手がかりにしてください。

繰り返しの中で工夫したこと
面談で多かったのは、この工夫と、次の人とのやり取りの2つです。作業の手順を変えた、不良を減らした、時間を短くした、といったことを、本人は改善だと思っていません。毎日の繰り返しの中で少しずつ変えてきたことこそ、経歴書に書ける工夫です。
他の部署やお客様とのやり取り
もう一つが、製造や営業、協力会社とのやり取りです。調整や折衝を、技術の仕事の外にある雑用だと思って、書いていない方がほとんどでした。いろいろな人と関わりながら折衝してきた経験は、採用する側から見ると珍しい経験の一つです。
社外から見て珍しいと伝えていた経験
私が面談で「これは珍しい経験ですよ」と伝えていたのは、たとえば次のようなものです。
- お客様の現場に出て、直接やり取りしていた
- 海外の工場や取引先とやり取りしていた
- 設計から量産まで、工程をまたいで関わっていた
- 協力会社や外注先をまとめていた
- 不具合の原因を突き止めて、再発を防いだ
- 後輩の指導や、チームのまとめ役をしていた
こうした経験も、本人は当たり前の仕事だと思って、書いていないことがあります。役職がついていなくても、まとめ役をしていたなら取りまとめの経験として書けます。
工夫と調整を経歴書の言葉にする書き方

書けることが見つかったら、経歴書の言葉に直します。ここで大切なのは、立派な文章にすることではなく、担当者や人事が読み取りたい項目を落とさないことです。書き方のコツと、職種ごとの書き直しの例を紹介します。
扱ったもの・役割・関わった相手を入れる
1つの業務を書くときは、次の3つが入っているかを確かめてください。
- 扱った製品や設備(何を・どれくらいの大きさや量か)
- 自分の役割(どこからどこまでを受け持ったか)
- 関わった相手(どの部署・お客様・協力会社と)
この3つがそろうと、大きな実績がなくても、担当者はあなたをどの求人に推せるかを考えられます。工夫したことは、その業務の後ろに一文添えるだけで十分です。
職種ごとの書き直しの例
次の例は、私が一般的な形として作ったものです。数字は◯にしてあるので、分かる範囲で自分の数字に置き換えてください。
- 設計:「図面の修正対応」→「量産中の◯◯(製品名)の設計変更を担当。製造部門と打ち合わせ、組み立てやすさを考えた変更を提案」
- 生産技術:「設備トラブルの対応」→「◯◯ラインの設備トラブルに対応し、原因を調べて設備メーカーと再発防止策を決めた」
- 品質:「出荷検査」→「◯◯の出荷検査を担当。検査の手順を見直し、1台あたりの検査時間を短くした」
- 保全:「定期点検」→「工場の◯◯設備の保全を担当。点検の周期を見直し、突然の停止を減らした」
数字がなくても書いてよい
経歴書の見本には数字の入った成果が並んでいますが、正確な数字が分からないことも多いはずです。その場合は、無理に数字を作らず、何をどう変えたかを書いておけば十分だと私は考えています。数字は、担当者との面談で思い出せた分を足していけば構いません。
機械設計の方は、担当者が読み取ろうとしている項目を機械設計の職務経歴書の書き方でくわしくまとめています。
外の目は転職エージェントで借りる

手順3の「外の目で珍しさを確かめる」は、1人ではどうしても難しいところです。今の会社しか知らない方ほど、自分の経験を社外の物差しで測る機会がありません。そこで使ってほしいのが、転職エージェントの担当者です。
担当者は社外の物差しを持っている
製造業の技術者を多く見てきた担当者は、どんな経験が珍しく、どの会社が欲しがっているかを知っています。自分では当たり前だと思っていた経験に、値打ちを付けてくれるのが担当者です。面談で一日の流れを話すだけでも、書ける経験を拾ってもらえることがあります。
経歴書はたたき台で持っていけばいい
最初の面談に持っていく経歴書は、完成させる必要はありません。手順1と手順2で書き出したメモを元にした、たたき台で十分です。担当者と話しながら足していくほうが、1人で何日も悩むより早く仕上がります。
文章を整えるのはAIでもできる
文章の整え方は、コツさえつかめば誰でもできます。最近はAIに相談すれば、言い回しは十分に整えられるはずです。だからこそ、何を書くかを見つける棚卸しと、外の目で確かめる作業に時間を使ってください。


担当者の見分け方は製造業の技術者に合う転職エージェントの選び方に、製造業に強いエージェントの違いは製造業の転職エージェントおすすめ6社と選び方にまとめています。
メーカー専門で探すなら メーカーズジョブ
メーカー・製造業に特化した転職支援のサービスです。技術の話が最初から通じるので、自分の仕事を一から説明しなくても、書ける経験を一緒に探しやすくなります。評判はメーカーズジョブの評判と向いている人にまとめました。
東海で腰を据えて探すなら R4CAREER
愛知・岐阜・三重に絞って求人を扱う、名古屋の転職エージェントです。勤務地を東海に絞りたい方や、地元のメーカーを狙いたい方に向いています。
職務経歴書に書くことがない人のよくある質問

最後に、書くことがないと感じている技術者の方から、よく出る質問にお答えします。
実績を数字で書けないと書類で落ちますか
数字がないことだけで落ちるとは限りません。担当者や人事が見ているのは、扱ったもの、役割、関わった相手です。数字は分かる範囲で添えれば十分です。
同じ会社に10年以上いると不利ですか
不利にはなりにくいです。転職の回数が少ないことは、長く働いてくれそうだという安心材料になります。大切なのは、10年の中で何をどこまで担ってきたかを書くことです。
後輩に教えた経験も書いていいですか
書いてください。役職がなくても、後輩の指導やチームのまとめ役は、取りまとめの経験として見てもらえます。何人を、どれくらいの期間見ていたかを添えると伝わりやすくなります。
職務経歴書をAIに書いてもらってもいいですか
言い回しを整えるのに使うのは問題ありません。ただ、何を書くかはAIには分からないので、棚卸しは自分で行いましょう。AIが作った文章も、自分の言葉で説明できるかを最後に確かめてください。
面接で経歴書の内容を深く聞かれたらどうしますか
面接では、今の仕事の中身はほぼ必ず聞かれます。棚卸しで分解した内容は、そのまま面接の答えの材料になります。聞かれる質問は製造業の技術職の面接で聞かれる4つの質問と落ちる理由をご覧ください。
書けることが見つからないまま転職活動をしていいですか
まずは担当者に相談して構いません。1人で見つからなかった経験も、話しているうちに拾ってもらえることがあります。何から始めるかは技術者の転職は何から?流れ6ステップにまとめています。
職務経歴書に書くことがない技術職のまとめ

職務経歴書に書くことがないと感じるのは、毎日の仕事に慣れて、工夫や調整を仕事のうちに数えていないからです。棚卸しをして分解すれば、書けることはたいてい見つかります。
- 書くことがないのは思い込みのことが多い
- 担当者が見るのは扱ったもの・役割・関わった相手
- 手順は書き出す→分解する→外の目で確かめる
- 繰り返しの中の工夫と人とのやり取りは書ける
- 数字がなくても、何をどう変えたかを書けばいい
- 外の目はエージェントの担当者で借りる
今の会社しか知らないことは、弱みではありません。動き出すかどうか迷っている方は転職したいけど動けない30代技術者の最初の一歩も、エージェントを使うか迷っている方は転職エージェントはやめとけ?使わない方がいい人の特徴も読んでみてください。

