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転職を家族に反対されないためには、内定が出てからではなく、選考の途中で家族に話しておくことが一番の近道です。内定の後に話すと、承諾の期限に追われて、家族も本人も冷静に話し合えなくなるからです。
妻に「子どもが生まれたばかりなのに」と言われた。年収が下がる、転勤があると知られたら、きっと止められる。そう考えて、まだ家族に言えないまま、この言葉を検索した方もいるでしょう。
- 妻(夫)に転職を反対されている
- 年収や転勤の話をしたら止められそう
- 子どもが小さく、言い出しにくい
- 親に「今の会社にいなさい」と言われた
- まだ家族に転職活動を話していない


私は前職の転職エージェントで、企業と求職者の両方を1人で担当しながら、製造業の技術者の転職を支援していました。家族に反対された方や、反対を乗り越えて転職した方を見てきた経験から、話すタイミングと話し方をお伝えします。
家族への相談は内定前の選考中に

私はエージェントとして支援していたとき、選考の途中の段階で「ご家族には前もって話しておいてください」と伝えていました。そのおかげか、内定が出てから家族に反対されて話が止まった方は、多くありませんでした。なぜ選考中に話すのがよいのか、理由を3つお伝えします。
内定後は1週間で冷静に決められない
内定が出ると、多くの会社は1週間前後で返事を求めてきます。期限が迫るなかで家族と話し合っても、お互いに焦ってしまい、冷静な判断ができません。家族からすると、急に「来週までに決めないといけない」と言われるので、反対したくなるのも自然です。
返事の期限をどこまで延ばせるかは内定保留は何日まで?目安は合わせて2週間にまとめています。ただ、延ばしてもらえる日数には限りがあるので、話し合いは先に済ませておくほうが安心です。
選考中なら家族の不安を企業に確かめられる
選考の途中なら、まだ面接や担当者を通して企業に質問できます。家族が年収や転勤を心配しているなら、その点を次の面接で確かめればよいのです。内定が出た後に「やっぱり転勤があった」と分かるより、話はずっと進めやすくなります。
後から知らされると感情でこじれる
内定が出てから初めて話すと、家族は「なんで相談してくれなかったの」と感じます。実際に、転職の中身より先に、相談がなかったことへの気持ちでこじれてしまった方もいました。家族にとっては、内容と同じくらい、一緒に決めたかどうかが大切なのです。

転職サイト「ミドルの転職」が2018年に行ったアンケートでも、家族に転職を反対された経験がある人は、反対されたことがない人に比べて「転職活動を始めてから」家族に相談した割合が多かったと報告されています。出典:ミドルの転職「家族の転職反対」について(2018年版)(2018年6月実施・有効回答957名)。
家族が転職に反対する理由

家族を説得する前に、何が不安で反対しているのかを知っておくことが大切です。同じアンケートでは、家族に転職を反対された経験がある人は46%で、反対された理由の1位は「年収の低下」の44%でした。私が支援してきた方の場合も、反対したのは妻が中心でした。よく聞いた理由を紹介します。
年収が下がるのが心配
よく聞いたのが、年収が下がることへの不安です。住宅ローンや子どもの教育費を抱えている家庭ほど、少しでも下がると聞けば心配になるはずです。ただ、私が見てきた限りでは、ここ数年は今の年収より下げて内定を出す企業はあまり多くありません。
転勤や引っ越しが心配
転勤がある会社に移る場合や、引っ越しが必要になる場合も、反対されやすい理由でした。妻(夫)の仕事や、子どもの保育園・学校まで変わるので、本人一人の問題ではなくなるからです。勤務地と転勤の有無は、家族が一番知りたい情報の一つと考えておきましょう。
子どもが生まれたばかりの時期
子どもが生まれたばかりで「今は転職なんてダメだよ」と言われた方もいました。生活が落ち着かない時期に、仕事まで変わることへの心配です。家族の本当の気がかりは、時期そのものより、新しい会社で休みが取りやすいかや帰りの時間のはずです。
親から反対されることも
数は多くありませんでしたが、親に反対された方もいました。アンケートでは、反対の理由の2位が「『大手企業』という肩書きがなくなるから」の19%です。その方は、時間をかけて親を説得し、最終的に転職されました。
反対されにくい家族への話し方4つ

話すタイミングが分かったら、次は話し方です。私が支援していた方には、家族に話すときのポイントを4つ伝えていました。どれも特別な技術ではありませんが、そろえて話すと家族の受け止め方が変わります。

受けている会社と転職の理由をセットで話す
まず「今こういう会社を受けている」と、具体的な会社名や仕事の中身を伝えます。あわせて、なぜ転職活動をしているのかという理由も話しましょう。理由が分からないまま「転職したい」と聞かされると、家族は今の会社の何が不満なのかが分からず、不安だけが大きくなります。
不安な点と大丈夫な点を並べて話す
「たぶんこういうことが心配だと思うけど、次の会社ではここは大丈夫」と、筋道を立てて話してください。家族の不安を先回りして口にすると、こちらが家族のことも考えていると伝わります。大丈夫と言い切れない点は、正直に「ここはまだ確かめている」と伝えれば十分です。
家族が気にする数字を先にそろえる
年収・勤務地・転勤の有無・休みの日数など、家族が気にする数字は話す前にそろえておきましょう。正確でなくても、おおよその数字で構いません。「年収は今と同じくらい」より「今が540万円で、提示の見込みは550万円前後」のほうが、家族は判断しやすくなります。
時間をとって向き合って話す
普段の会話の中で何気なく切り出すのは、あまりおすすめしません。子どもが寝た後など、お互いに時間をとって、膝を突き合わせて話すのがおすすめです。改めて時間をとること自体が、真剣に考えていることを伝える合図になります。


お金の不安は必要な額を割り出す

反対の理由で一番多いのがお金なら、一番効くのもお金の話です。家族の不安の多くは、「年収が下がったらどうしよう」という漠然としたものでした。数字に置き換えると、その不安が小さくなることがあります。
これから必要なお金を書き出す
まず、これから家族に必要なお金を書き出します。毎月の生活費・住宅ローンや家賃・子どもの教育費・車の買い替えなどです。教育費は大きく見えますが、年ごとに分けると思っていたほどではない、ということもあります。
子どもの教育費の目安は転職したいけど動けない30代技術者の最初の一歩で図にしています。
年収が下がっても暮らせるかを確かめる
書き出したお金と、転職先の年収の見込みを並べてみましょう。お金に不安を持っていた家庭で、必要な額を正確に割り出したら、年収が下がっても転職できると分かった方がいました。反対していた家族も、数字を一緒に見て納得されたそうです。
年収は応募の時点で伝えておく
製造業の転職では、内定通知書が出た後に年収を上げてもらうのは難しいのが実情です。家族と決めた「これ以上は下げられない」という金額は、応募の時点で企業に伝えておきましょう。伝え方とタイミングは内定取り消しはほぼない!?年収交渉はタイミングが勝負にまとめています。
家族と話した人のその後

家族とじっくり話した結果、転職した方もいれば、今の会社に残った方もいました。どちらが正解ということはありません。ただ、その後の様子には違いがありました。
話し合って納得してもらえた
時間をとって話し合い、家族に納得してもらって転職した方がいました。なかには、「結局あなたがやりたいことだから、頑張って。応援するよ」と言ってくれた奥さんもいたそうです。反対していた家族も、本人が真剣に考えていると分かれば、背中を押す側に回ってくれることがあります。
親を説得して転職した
親に反対されていた方も、最終的には説得して転職されました。親の反対は、子どもを心配する気持ちから来ていることが多いはずです。新しい会社で何をしたいのかを具体的に話すと、心配が和らぎやすいと私は考えています。
見送った人はまた転職活動を始めた
一方で、反対されて今回は見送り、今の会社に残った方もいました。ただ、その方は不満を残したまま残り、しばらくしてまた転職活動を始めていました。反対を理由に諦めても、転職したいと思った理由そのものは消えないということです。
これは、退職を伝えたときに会社から引き止められて残った方と、よく似ています。引き止めに乗って残った方の話は退職交渉の引き止めは「伝え方」で防げるで紹介しています。


家族の不安は担当者経由で確かめる

家族が心配している年収や転勤のことは、自分で企業に聞きにくいものです。面接で何度も条件の話をすると、印象が気になる方もいるでしょう。そこで使えるのが、転職エージェントの担当者です。
聞きにくい条件を代わりに確かめてもらう
転勤の有無や頻度・残業の多さ・年収の見込みなどは、担当者に頼めば企業に確かめてもらえます。家族に話す前に、担当者に「家族がこの点を心配している」と伝えておくのがおすすめです。家族に見せる数字を、自分の思い込みではなく企業に確かめた情報でそろえられます。
エージェントが早めの相談を勧める理由
正直にお伝えすると、エージェントが「家族に早めに話して」と言うのには、エージェント側の事情もあります。エージェントは内定が出たら早く返事をもらいたいので、後から起きそうな出来事を先に片づけておきたいのです。ただ、選考中に話しておくことは、結果として本人と家族のためにもなると私は考えています。
家族のことも話せる担当者を選ぶ
家族の事情まで聞いてくれて、条件を粘り強く確かめてくれる担当者なら、安心して任せられます。逆に、家族の話をしても取り合わず、応募ばかり急がせる担当者は避けたほうがよいでしょう。担当者の見分け方は製造業の技術者に合う転職エージェントの選び方に、製造業に強いエージェントの違いは製造業の転職エージェントおすすめ6社と選び方にまとめています。
メーカー専門で探すなら メーカーズジョブ
メーカー・製造業に特化した転職支援のサービスです。技術の話が最初から通じるので、仕事の中身や家族の事情を一から説明しなくても、条件を絞った相談がしやすくなります。評判はメーカーズジョブの評判と向いている人にまとめました。
東海で転勤なしを探すなら R4CAREER
愛知・岐阜・三重に絞って求人を扱う、名古屋の転職エージェントです。家族のために勤務地を東海に絞りたい方や、引っ越しをせずに地元のメーカーを狙いたい方に向いています。
転職を家族に反対されたときのよくある質問

最後に、家族の反対に悩んでいる方からよく出る質問にお答えします。
家族に言わずに転職活動を始めてもいいですか
情報を集める段階なら、まだ話していなくても構いません。ただ、応募して選考に進んだら、その時点で家族に話しましょう。内定が出てから初めて話すのは避けてください。
選考中に話して落ちたら家族を心配させるだけですか
心配させるだけにはなりません。私の感覚では、応募した5〜6社のうち内定が出るのは1〜2社です。落ちる会社があるのは当たり前なので、先に「落ちることもある」と伝えておけば、家族も一緒に次を考えてくれるはずです。
子どもが小さいうちは転職しないほうがいいですか
一概には言えません。家族が心配しているのは、休みの取りやすさや帰りの時間など、暮らしへの影響のはずです。その点を選考中に企業へ確かめて、家族と一緒に判断しましょう。
親にも転職を話すべきですか
同居している、家のことで頼っているなど、暮らしに関わりがあるなら話しておくのがおすすめです。親に反対されても、説得して転職した方はいました。妻や夫と同じように、理由と条件をそろえて話すと伝わりやすくなります。
内定が出てから反対されたらどうしますか
まずは担当者を通して、返事の期限を延ばせるか相談しましょう。私の経験では、最初の期限からさらに1週間ほど、合わせて2週間くらいは延ばしてもらえることが多くありました。くわしくは内定保留は何日まで?目安は合わせて2週間をご覧ください。
反対を押し切って転職してもいいですか
最後に決めるのは本人ですが、話し合わないまま押し切るのはおすすめしません。家族の不安が残ったままだと、新しい職場で何かあるたびに気持ちがすれ違いやすくなるからです。数字と条件をそろえて、もう一度時間をとって話してみてください。
話し合っても平行線のときはどうしますか
一度に結論を出そうとせず、家族が引っかかっている点を一つずつ確かめていきましょう。年収なら必要なお金を割り出し、転勤なら企業に確かめるというように、不安ごとに答えを用意します。転職活動全体の進め方は技術者の転職は何から?流れ6ステップにまとめています。
転職を家族に反対されたときのまとめ

転職を家族に反対されないためには、内定が出る前の選考中に話しておくことが大切です。そのうえで、家族の不安を数字と条件で一つずつ確かめていけば、話はぐっと進めやすくなります。
- 家族には内定前の選考中に話す
- 反対の理由は年収・転勤・時期が多い
- 会社と理由をセットで話す
- 数字をそろえ、時間をとって向き合う
- お金の不安は必要な額を割り出す
- 聞きにくい条件は担当者に確かめてもらう
家族の反対は、あなたの将来を心配しているからこそ出てくるものです。エージェントを使うか迷っている方は転職エージェントはやめとけ?使わない方がいい人の特徴も読んでみてください。

