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技術者の転職は、状況整理→エージェントとの面談と書類づくり→応募→面接→内定→退職と入社、の6ステップで進みます。最初の面談から入社までは、5〜6か月が目安です。何から始めるか迷ったら、書類より先に、今の状況と将来を整理するところから始めてください。
「転職」という言葉はよく聞くのに、実際に何をどの順番でやるのかは、意外と誰も教えてくれません。新卒で入社してからずっと同じ会社にいると、なおさらです。
- 転職は何から始めればいいか分からない
- 働きながらどう進めるのか想像がつかない
- どれくらいの期間がかかるのか知りたい
- まだ辞めると決めたわけではない


私は前職の転職エージェントで、企業と求職者の両方を1人で担当しながら、製造業の技術者の転職を支援していました。この記事では、技術者の転職の流れを6ステップに分けて、それぞれでやることと、つまずきやすいところをお伝えします。各ステップの詳しい話は、個別の記事で深掘りしています。
転職エージェントとは別に、1人の担当者が3か月ほど続けて相談に乗ってくれる、無料のキャリア相談もあります。
キャリナビ転職の対象は20〜34歳の方です。35歳以上の方は、このあと紹介する転職エージェントをご覧ください。
技術者の転職の流れは6ステップ

まずは転職の全体像をつかんでおきましょう。流れは職種を問わずほぼ同じですが、製造業の技術職ならではのポイントがいくつかあります。ここでは6つのステップと、それぞれにかかる期間の目安をお伝えします。
転職の流れを6ステップで一覧に

- STEP1 今の状況と将来を整理する
- STEP2 エージェントと話し書類を用意する
- STEP3 5〜6社に絞って応募する
- STEP4 面接を受ける
- STEP5 内定の返事をする
- STEP6 退職を伝え入社する
転職活動そのものは3〜4か月
私が支援してきた技術者の場合、エージェントとの最初の面談から内定を承諾するまでは、だいたい3〜4か月でした。最初の半月〜1か月で書類の用意や情報収集をして、書類を出してから内定が出るまでが約2か月という流れです。
早い人は選考が1か月で終わり、全体で1.5〜2か月ほどで決まることもあります。反対に、長い人は4〜5か月かかっていました。

転職した人全体で見ても、転職活動を始めてから前の会社を辞めるまでの期間は「1か月以上3か月未満」が28.8%で最も多くなっています。出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間)。
内定承諾から入社までさらに約2か月
内定を承諾したあとは、今の会社に退職を伝えて、引き継ぎと有給休暇の消化に入ります。承諾から入社までは約2か月が多いので、最初の面談から入社までは5〜6か月を見ておくと安心です。
「転職しよう」と思ってから次の会社で働き始めるまでには、半年近くかかると考えておきましょう。逆に言えば、今日動き始めても、今の職場を離れるのはまだずっと先の話です。
STEP1 最初に今の状況と将来を整理する

転職の準備というと、履歴書や職務経歴書を思い浮かべる方が多いでしょう。けれども、私が一番大切だと考えているのは、書類より先にやる状況整理です。この段階では、まだ辞めると決める必要はありません。
将来やりたいことと今の状況を書き出す
まずは、将来どんな仕事をしたいのか、今どんな状況にいるのかを紙に書き出してみてください。関わりたい製品、5年後の自分の姿、今の仕事で不満なことと満足していることを並べていきます。

書き出してみると、「今の会社でも叶うかもしれない」と気づくこともあります。それも立派な答えです。転職はあくまで手段の一つだと考えておきましょう。
お金と家族の問題を1つずつほどく
30代になると、年収、教育費、住宅ローン、勤務地、家族の考えなど、転職を決めるうえで気になることが増えます。これらを頭の中でまとめて抱えていると、「なんとなく不安だから動けない」状態が続きがちです。
家族への話し方は家族に転職を反対されたら|選考中に話すでくわしくお伝えしています。
1つずつ具体的な数字や条件に置き換えていくと、思っていたより選択肢が広いと分かることがよくあります。教育費の見積もり方は転職したいけど動けない30代技術者の最初の一歩で詳しく書いています。
整理しないと内定のあとに迷う
初めての転職でつまずきやすいのは、実は面接と、内定が出たあとです。状況の整理をしないまま進めた結果、内定をもらってから「本当にここでいいのか」と迷ってしまった人もいました。


STEP2 エージェントと話し書類を用意する

状況の整理ができたら、転職エージェントに登録して、担当者と面談をします。あわせて、応募に使う書類を用意していきましょう。ここまでが、最初の半月〜1か月でやることです。
用意するのは履歴書と職務経歴書のたたき台
エージェントとの面談に用意しておくのは、履歴書と職務経歴書のたたき台くらいで十分です。完成していなくても、担当者と話しながら仕上げていけば問題ありません。
面談では、STEP1で整理した希望を遠慮せずに伝えましょう。難しい希望であれば、担当者のほうから率直に言ってくれます。
書類はコツを掴めば誰でも書ける
職務経歴書は難しそうに見えますが、コツさえ掴めば誰でも書けます。最近はAIに添削やアドバイスをもらいながら書けば、十分に通用する書類が作れるはずです。
技術者が書き落としやすいのは、設計のどの工程を担当したかという役割と、取りまとめの経験です。書き方は機械設計の職務経歴書の書き方で詳しく紹介しています。
毎日の仕事が繰り返しで書くことがないと感じる方は、職務経歴書に書くことがない技術職の書き方も読んでみてください。
エージェントは担当者で選ぶ
エージェントは3〜5社に登録して、実際にやり取りを続けるのは1〜2社に絞るのがおすすめです。大事なのは会社の大きさより、あなたの話をよく聞き、求人票にない情報まで知っている担当者かどうかです。
選び方は製造業の技術者に合う転職エージェントの選び方に、気をつけたい担当者の特徴は転職エージェントはやめとけ?使わない方がいい人の特徴にまとめています。製造業の技術職なら、メーカーに特化したメーカーズジョブから始めると話が早いでしょう。
愛知・岐阜・三重で働きたい方は、東海3県に特化したR4CAREERもあわせて登録しておくと、地元の求人を比べやすくなります。
STEP3 応募は5〜6社に絞って出す

書類ができたら、いよいよ応募です。ここから内定が出るまでの選考期間は、約2か月かかります。働きながら進めることを考えて、無理のない数に絞りましょう。
応募5〜6社で内定は1〜2社が目安
私が見てきた限りでは、応募は5〜6社、そこから面接に進むのが2〜3社、内定は1〜2社という形が多くありました。一気に応募しすぎると、今の仕事と並行しているので回らなくなります。
面接の準備は意外と時間がかかるものです。進められる範囲で進めるほうが、結果的にうまくいきます。
応募先は扱ってきた製品の近さで選ぶ
製造業の技術職の転職で評価されやすいのは、今まで扱ってきた製品や技術が、応募先と近い人です。応募先を選ぶときは、業界名より「自分の経験がそのまま活きるか」を軸にしましょう。職種ごとの行き先は、次の記事で詳しく書いています。
- 30代の機械設計が転職市場で評価される力
- 生産技術の転職先5つと年収が上がる条件
- 品質管理の転職先は?同じ仕事でも年収が上がる理由
- 生産管理の転職先3つと年収が上がる経験
- 研究開発の転職で製品を変えたい人へ
- 電気工事士がメーカーで活きる3つの転職先
- 設備保全がきついと感じたら|転職先4つと残る道
- サービスエンジニアはやめとけ?理由と転職先4つ
- 電気設計・回路設計がきつい理由と転職先5つ
- 技術営業はやめとけ?きつい理由と活きる転職先
- 施工管理から転職するなら|出張を減らす転職先
希望年収と入社日は応募の時点で伝える
製造業では、内定通知書が出たあとに年収を上げてもらうのは難しいのが実情です。希望年収は、書類を出す時点でエージェントから企業へ伝えてもらいましょう。くわしくは年収交渉で内定取り消しはほぼない|年収交渉はタイミングが勝負をご覧ください。
入社日の希望も、選考の途中で企業から聞かれます。内定が出そうな時期から逆算して「その2か月後」くらいを、面接の場やエージェントに先に伝えておくと、後の調整がスムーズです。
STEP4 面接は一次面接が勝負

初めての転職で一番不安が大きいのが面接でしょう。新卒の就職活動以来という方も多く、どこを見られているのか分からないまま臨んでしまいがちです。製造業の技術職の面接には、はっきりした特徴があります。
一次面接には配属先の上司が出てくる
製造業の技術職では、一次面接の面接官は基本的に配属先の直属の上司です。その人が「一緒に働きたい」と思えば、最終面接の役員も「それなら良いだろう」となりやすくなります。
私が見てきた目安では、一次面接の通過は約5割、最終面接は7〜8割でした。勝負は一次面接と考えて準備しましょう。
聞かれるのは転職理由と今の仕事の中身
一次面接でほぼ必ず聞かれるのは、転職理由、今の仕事の中身、なぜ当社なのか、の3つです。30代以降なら、「マネージャーをやりたいですか?」と管理職への意欲を聞かれることもあります。
答え方と落ちる理由は製造業の技術職の面接で聞かれる4つの質問と落ちる理由で詳しく解説しています。面接の前に一度目を通しておいてください。
働きながらでも面接の時間は作れる
最近の一次面接はオンラインが中心です。半休や有給休暇を使う人のほか、18時以降、遅いところでは19〜20時まで面接をしてくれる会社もあります。
ただし、最終面接は本社で対面ということも多く、その場合は半休を取るのが現実的です。今の会社の会議室からオンライン面接に出る人もいますが、周りに知られる心配があるので、私はあまりおすすめしません。
最終面接の合格率と落ちる理由は転職の最終面接で落ちる理由と合格率にまとめています。
STEP5 内定の返事と年収は通知書の前に

最終面接に通ると、まずエージェントから「内定です」と連絡が来て、そのあと内定通知書が届きます。ここでは、返事の期限と年収の相談のタイミングを押さえておきましょう。STEP1の整理が生きてくるのも、この段階です。
返事の期限は1週間前後で延ばせることもある
内定の返事の期限は、通知が出てから1週間前後が相場です。他社の選考結果がまだ出ていないときは、理由を伝えれば延ばしてもらえることがあります。
延ばしてほしいときは、「他社の結果が◯日に出る」と理由を添え、何日までなら決められるかを具体的に伝えてもらいましょう。
年収の相談は通知書が出る前まで
内定通知書に書かれた金額は、すでに社内の決裁を通った数字です。そのため、年収を上げてもらえるのは「内定です」の連絡から通知書が出るまでの間に限られます。
他社でもっと高い金額が出そうなら、そのタイミングでエージェントから企業に伝えてもらいましょう。詳しい流れは年収交渉はタイミングが勝負で解説しています。
迷ったらSTEP1の整理に戻る
内定が出ると、うれしい半面、「本当にここでいいのか」と迷う方も少なくありません。そんなときは、STEP1で書き出した将来の希望とお金・家族の条件に、内定先が合っているかを見直してください。
返事を待ってもらえる期間と頼み方は内定保留は何日まで?目安は合わせて2週間にまとめています。


STEP6 退職は承諾後すぐ伝え2か月で入社

内定を承諾したら、最後のステップは今の会社を辞めて、新しい会社に入社することです。承諾から入社までは約2か月が多く、この間に退職の伝達、引き継ぎ、有給休暇の消化を進めます。
内定承諾のあとすぐ直属の上司に伝える
退職は、内定を承諾したらすぐに直属の上司に伝えましょう。早く伝えるほど引き継ぎの期間を長く取れるので、会社にとってもありがたいはずです。
伝えるときは「相談」ではなく、「◯月末で退職します」と決まったこととして話すのがコツです。
1か月で引き継ぎ残りは有給消化
よくある形は、最初の1か月で引き継ぎを終え、残りを有給休暇の消化にあてる進め方です。有給休暇は基本的に全部使えます。引き継ぎの段取りを自分から示せると、話がスムーズに進みます。
引き止めの条件には乗らない
退職を伝えると、年収アップや異動などの条件を出して引き止められることがあります。私が見てきた限りでは、引き止めに乗って残った人が、その後うまくいった例はほとんどありません。
伝え方と引き止めへの返し方は退職交渉の引き止めは「伝え方」で防げるで詳しくお伝えしています。
技術者の転職の流れのよくある質問

最後に、初めて転職を考えている技術者の方からよく聞かれる質問にお答えします。
転職活動にはどれくらいの期間がかかりますか
エージェントとの最初の面談から内定の承諾までが3〜4か月、そこから入社までが約2か月です。全体では5〜6か月を目安にしてください。
まだ転職を決めていなくても始めていいですか
始めて大丈夫です。STEP1の状況整理や、エージェントとの面談で市場での評価を聞くところまでは、辞めると決めていなくてもできます。動けずに迷っている方は転職したいけど動けない30代技術者の最初の一歩も参考にしてください。
働きながら転職活動はできますか
できます。一次面接はオンラインが中心で、18時以降に面接をしてくれる会社もあります。対面の最終面接だけは、半休を取る人が多い印象です。
何社くらい応募すればいいですか
5〜6社が目安です。そこから面接に進むのが2〜3社、内定が1〜2社という形がよくあります。応募が多すぎると、今の仕事と面接の準備を両立できなくなるので注意してください。
30代で初めての転職は不利になりませんか
不利にはなりません。企業から見ると、転職回数が少ない人は長く働いてくれそうで安心できます。30代なら経験も積んでいるので、即戦力として期待されやすいはずです。
転職すると年収は下がりませんか
最近は、今の年収より上げて内定を出す企業が多く、下げた提示はあまり見かけません。上がる幅は、私が見てきた限りでは50万〜100万円くらいが目安です。ただし、希望年収は応募の時点で伝えておくことが前提になります。
技術者の転職の流れのまとめ

技術者の転職は6ステップで進み、最初の面談から入社までは5〜6か月が目安です。書類づくりや面接の対策は、コツを掴めば誰でもできます。一番大切なのは、最初に今の状況と将来を整理しておくことです。
- STEP1 将来・今・お金・家族を整理
- STEP2 エージェントと面談し書類を用意
- STEP3 応募は5〜6社に絞る
- STEP4 勝負は一次面接
- STEP5 年収の相談は通知書の前に
- STEP6 承諾後すぐ退職を伝え約2か月で入社
何から始めるか迷ったら、まずはSTEP1の4つを紙に書き出してみてください。そのうえで、製造業に詳しいエージェントと一度話し、自分の経験が社外でどう見られるかを聞いてみるのがおすすめです。エージェントの選び方は製造業の技術者に合う転職エージェントの選び方を参考にしてください。

