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生産技術がきついと言われる一番の理由は、いろいろな人の間に挟まれて仕事を回す立場にあることです。そして正直にお伝えすると、会社を変えても、生産技術という仕事の中身は大きくは変わりません。変わるのは、会社の風土と年収です。
設備メーカーには納期を守ってもらい、工場からは「こんな設備では使えない」と言われる。間に入って話をまとめているうちに、今日も残業になる。この先も同じ働き方が続くのかと考えて、この言葉を検索した方もいるでしょう。
- いろいろな人の間に挟まれて疲れた
- 残業が多く、休みの日も気が休まらない
- 転勤や長期の出張が続いている
- 転職すれば楽になるのか知りたい
- この経験が他の会社で通用するか知りたい


私は前職の転職エージェントで、企業と求職者の両方を1人で担当しながら、製造業の技術者の転職を支援していました。採用する側の見方も踏まえて、生産技術がきついと言われる理由と、転職で変わること・変わらないことをお伝えします。
生産技術がきついと言われる理由

生産技術は、製品を安定して作るための工程や設備を考え、立ち上げ、改善していく仕事です。設計と製造の間に立つので、関わる相手が多くなります。ここでは、私が話を聞いてきた生産技術の方の様子から、きついと感じる理由をお伝えします。
いろいろな人の間に挟まれる
一番の理由は、折衝する相手の多さです。設備メーカーや協力会社を管理しながら、工場の意見もくみ取って、間に入って仕事を回していきます。どちらの言い分も分かるだけに、板挟みになったときの負担は大きくなります。
ハードワークで残業が多い
生産技術はハードワークになりやすい仕事です。昼間は打ち合わせや現場の対応に時間を取られ、自分の仕事が夕方からになりがちです。ラインの立ち上げが近づく時期は、残業がさらに増えやすくなります。
転勤や長期の出張がある
転勤を理由に挙げる方もいました。工場は地方や海外にあることが多く、新しいラインの立ち上げに合わせて異動や長期の出張が出やすいためです。家族がいる方ほど、負担は重くなります。
トラブル対応と職場の人間関係
設備やラインのトラブル対応で疲れている、という声も聞きました。予定していた仕事を止めて現場へ向かう日が続くと、体も気持ちも休まりません。
工場の現場の方との関係や、年上のベテランへの頼みづらさといった、職場ならではの悩みを抱える方もいるでしょう。
一般に挙がるそのほかの理由
インターネットでは、生産技術がきつい理由として次のようなものも挙げられています。
- 品質・コスト・納期のすべてに責任を負うプレッシャーがある
- 機械・電気・品質など勉強する範囲が広い
- 改善の結果が数字で出るので、評価が厳しくなりやすい
当てはまるものがいくつあるかは、会社や作っている製品によって変わります。
転職で変わることと変わらないこと

きついと感じたとき、まず頭に浮かぶのは「会社を変えれば楽になるのでは」という考えでしょう。転職をすすめる記事の多くは、転職すれば解決すると書きがちです。ここでは、生産技術の方の転職を支援してきた立場から、変わることと変わらないことを正直にお伝えします。

仕事の中身は大きくは変わらない
別の会社の生産技術へ移っても、仕事の中身はそれほど変わりません。設計と製造の間に入り、設備メーカーや工場と折衝する立場は、どの会社でも同じです。板挟みそのものをなくしたくて会社を変えると、入社してから「前と同じだ」と感じるはずです。
会社の風土は変わる
変わるのは、会社の風土です。同じ板挟みでも、相談できる上司がいるか、部署どうしが協力する雰囲気があるかで、負担は違ってくるはずです。風土が合う会社へ移れば、働きやすくなる見込みがあります。
年収は変わる
もう1つ変わるのが年収です。同じ仕事をしていても、会社が変われば年収は変わります。最近は、今の年収より上げて提示する企業が多くなりました。
忙しさは同じでも、年収が上がれば納得して働ける、という方は少なくないでしょう。
生産技術を続けるなら選ぶ会社

生産技術の仕事そのものは嫌いではない、という方は多いはずです。その場合は、風土と年収が今より良くなる会社を選ぶことになります。生産技術を続ける方に多かった行き先と、会社を選ぶときに確かめたい点をお伝えします。
一番多いのは同じ業界の上位メーカー
生産技術の転職で一番多かったのは、同じ業界の上位メーカーへ移る道でした。ものづくりの流れが同じなので、経験をそのまま評価してもらえます。40代半ばで素材メーカーから同じ業界の最大手へ移り、年収が100万円上がった方もいました。
風土は求人票では分からない
働きやすい風土かどうかは、求人票を読んでも分かりません。部署の人数や年齢の構成、上司になる方の人柄は、企業と直接やり取りしている人しか知らない情報です。企業の中をよく知っている担当者に、応募の前に聞いておきましょう。
残業と転勤は応募の前に確かめる
入社してから後悔しないよう、次の点は応募の前に確かめておきます。
- 生産技術の部署の人数と、1人が担当する範囲
- 残業の時間と、立ち上げの時期の働き方
- 転勤や長期の出張がどれくらいあるか
転勤を避けたい方は、勤務地の希望を最初に伝えてください。転職先ごとの詳しい中身は生産技術の転職先5つと年収が上がる条件にまとめています。
生産技術を離れるなら活きる行き先

板挟みや働き方そのものがつらく、生産技術の仕事を離れたいという方もいます。私が支援した方は、生産技術で身につけた力を活かせる先へ移っていました。代表的な行き先を3つ紹介します。

プラントエンジニアリング会社
大手のプラントエンジニアリング会社へ移る方は多くいました。機器を1つずつ扱うのではなく、プラント全体を見られる仕事です。案件の規模が大きく、年収もメーカーより良い印象がありました。
出張や海外の案件が増えることがあるので、働き方はよく確かめてください。
コンサルティング会社
コンサルティング会社へ移る方もいました。生産技術の方は、仕事でコンサルタントと関わる機会があり、そこから興味を持つことがあります。工場の改善を進めてきた経験を、複数の会社の課題に使う仕事です。メーカーからコンサルに向いている人や後悔しやすい点は、メーカーからコンサル|後悔しない判断法にまとめています。
設備や機器を作るメーカー
設備や機器を作るメーカーへ移る方もいます。設備を発注する側から、仕事を受ける側へ移る形になるので、数は多くありません。設備を使う側の事情を知っていることは、設備を作る会社で強みになるでしょう。


採用側が評価する板挟みの経験

板挟みの毎日を送っていると、自分の経験に値打ちがあるとは思えなくなりがちです。ところが採用する側が見ているのは、まさにその板挟みをどう乗り越えてきたかでした。私が人事や部門長から聞いてきた、生産技術の経験者に見ている点をお伝えします。
プロジェクトを取りまとめた経験
採用する側がまず見ていたのは、プロジェクト全体を取りまとめた経験があるかどうかでした。ラインの立ち上げや設備の更新を、最初から最後までまとめた経験は強い材料になります。担当した範囲と関わった人数は、職務経歴書に書き出しておきましょう。
折衝をくぐり抜けてきた経験
生産技術の仕事には、一筋縄ではいかない折衝がつきものです。工場からの要望や設備メーカーとの交渉を、どうやってまとめてきたかが見られていました。きつさの元になっている板挟みは、面接では強みとして話せます。
携わってきた工場とプラントの中身
どんな工場で、何を作るラインに関わってきたかも大切です。ものづくりの流れが近い会社ほど、即戦力として評価されやすくなります。

国の統計でも、転職で年収が上がる人は少なくありません。転職した人のうち、前の職場より賃金が「増加」した人は40.8%で、30〜34歳に限ると48.6%でした。出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」(転職入職者の賃金変動状況)。
辞める前に今の会社でできること

転職しても仕事の中身が変わらないなら、今の会社で変えられることがないかも確かめておきたいところです。会社を辞めるのは、いつでも取れる手段です。その前に試せることを3つ挙げますので、できそうなものがあるか見てみてください。
担当と体制を上司に相談する
折衝やトラブル対応が1人に集中しているなら、担当を分ける相談ができます。相談するときは、つらさより先に事実を伝えると話が進みやすくなります。この1か月の残業の時間や、抱えている案件の数を、数字で示してみましょう。
勤務地の希望を伝える
転勤が理由なら、家庭の事情と希望する勤務地を早めに伝えておきます。退職を切り出したとたんに、会社から「転勤を取り消す」と言われた方もいました。会社が動かせる話なら、辞めると言う前に伝えたほうがお互いのためです。
辞める前に市場での評価を聞く
転職するかどうかを決めていなくても、エージェントに相談して構いません。他の会社の条件と比べてみて、今の会社が意外と恵まれていると分かり、残ると決めた方もいました。動いてみて残るのも、立派な結論です。
動き出せないときの考え方は転職したいけど動けない30代技術者の最初の一歩にまとめています。
生産技術の転職に合うエージェント

生産技術の転職では、会社の風土や転勤の有無といった、求人票に載らない情報が決め手になります。こうした情報は、企業と直接やり取りしているエージェントを通じて確かめるのが近道です。担当者に聞いておくことと、製造業の技術職に合う2社を紹介します。
担当者に確かめてもらうこと
応募する前に、次の3つを担当者に聞いておきましょう。
- 配属される部署の人数と、上司になる方の人柄
- 残業の時間と、立ち上げの時期の働き方
- 転勤や長期の出張がどれくらいあるか
この3つにすぐ答えられる担当者は、企業の中のことをよく知っています。担当者の見分け方は製造業の技術者に合う転職エージェントの選び方にまとめています。
メーカー専門で探すなら メーカーズジョブ
メーカー・製造業に特化した転職支援のサービスです。生産技術の仕事の中身が最初から通じるので、ラインの立ち上げや設備の話を一から説明せずに済みます。評判はメーカーズジョブの評判と向いている人にまとめました。
東海で腰を据えて探すなら R4CAREER
愛知・岐阜・三重に絞って求人を扱う、名古屋の転職エージェントです。勤務地を東海に絞りたい方や、転勤の少ない会社を探したい方に向いています。
生産技術のきつさに関するよくある質問

最後に、生産技術のきつさと転職について、よく出る質問にお答えします。
生産技術は本当にやめとけですか
一概には言えません。間に入って仕事を回す立場はどの会社でも同じですが、風土と年収は会社によって違います。仕事そのものが嫌いでなければ、会社を選び直す価値はあります。
転職すれば板挟みはなくなりますか
生産技術を続けるかぎり、なくなりません。変えられるのは、板挟みになったときに助けてくれる人がいるかどうかです。板挟みそのものを避けたい方は、仕事を変える道を考えてみてください。
別の業界の生産技術へ移れますか
業界の名前より、ものづくりの流れが近いかどうかで決まります。多品種少量か少品種多量か、連続して動くプラントか個別の工場か、といった点です。流れが大きく違うと、経験を評価してもらうのは難しくなります。
転職すると年収は下がりませんか
最近は、今の年収より上げて提示する企業が多くなっています。希望する年収は、内定が出てからではなく応募の時点で伝えておきましょう。伝え方は年収交渉はタイミングが勝負を参考にしてください。
工場の中の別の職種へ移れますか
職種を変える道もあります。仕事の中身をよく分かっている担当者と話すと、自分では考えていなかった職種が見つかることがあります。設備保全や生産管理の記事も参考にしてください。
生産管理は生産技術と違い、会社を変えると働き方が大きく変わりやすい仕事です。詳しくは生産管理はきつい?板挟みの理由と楽になる転職先をご覧ください。
面接では何を聞かれますか
転職の理由と今の仕事の中身は、ほぼ必ず聞かれます。生産技術の場合は、折衝やトラブルをどう乗り越えたかを話せるようにしておくと安心です。詳しくは製造業の技術職の面接で聞かれる4つの質問と落ちる理由をご覧ください。
生産技術がきついと感じたときのまとめ

会社を変えても、生産技術という仕事の中身は大きくは変わりません。変わるのは会社の風土と年収です。
- 一番の理由はいろいろな人の間に挟まれること
- 転職しても仕事の中身は大きく変わらない
- 変わるのは会社の風土と年収
- 続けるなら同じ業界の上位メーカーが多い
- 離れるならエンジ会社・コンサル・設備メーカー
- 板挟みを乗り越えた経験は高く評価される
板挟みの中で仕事をまとめてきた経験は、他の会社が欲しがっているものです。転職先の詳しい中身は生産技術の転職先5つと年収が上がる条件を、転職全体の流れは技術者の転職は何から?流れ6ステップを読んでみてください。

